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痛みのスタディルーム!

【痛みの各論 vol.4】高齢者の痛み

高齢者の痛み
高齢者の痛みの特徴は!?

みなさん,こんにちは!

「マニュアルフィジオサロンあきは」のブログへようこそ!

身体の痛み治療のスペシャリスト
“認定徒手理学療法士”の齋藤賢一です。

人類は何十億年という歳月をかけて,類人猿から二足歩行が可能なヒトへと進化してきました。一人のヒトで考えても,赤ちゃんとしてこの世に生を受けて,首が座り,寝返りができるようになり,お座りができて,立位・歩行能力を獲得していくという発達の過程を経て,成人へと成長していきます。ただし,ヒトの寿命は永遠ではありません。ヒトは生まれながらに,「進化/発達の過程」とともに,「退化の過程」も経験し,その一生を全うしていくのです。

その「退化の過程」で,ヒトのカラダには様々な不具合を生じ,痛みや不調を感じることも多くなっていきます。

ということで,今回のテーマは,『高齢者の痛み』についてです。

Key wordは,

~退行変性~

です。

【退化による悪循環】

加齢による身体機能の低下

退行変性によるカラダの痛み

運動量や活動性の低下

外出機会の減少
引きこもり/閉じこもり生活

心身機能の低下
(意欲の低下やうつ症状)

転倒による骨折

寝たきり

老衰

超高齢化時代を迎えている昨今,叫ばれているのが,
「健康寿命の延伸」です。

上記の悪循環をいかに抑制して,生き生きとした活力ある健康的な生活を,いかに長く続けていけるかということが問われているのです。

「健康寿命の延伸」のために必要な一つの条件は,上記のフローの最初の部分,いかに身体機能の低下を防ぎ,カラダの痛みを予防できるか,であるということが言えます!

それでは,その
『退行変性』とは?何なのか??

 「いわゆる老化現象、加齢とともに生じる変化を言い、経年性変化などとも言われます。

その変化とは,細胞や組織レベルでの変化から,身体機能的な変化までの幅広い意味を有します。痛みに直結する『退行変性』の代表例は,骨や関節に生じる変化で,骨量の減少(骨粗鬆症)や骨・関節の変形,骨棘の形成,関節軟骨の摩耗や減少,椎間板や半月板の変性,などが代表的です。」

『退行変性』による代表的な疾患は,
1.変形性関節症
2.変形性脊椎症
3.肩関節周囲炎

というところでしょうか!?

それでは,一つずつご紹介していきます。

1.変形性関節症

これは,荷重関節に多く,罹患率の1位は,変形性膝関節症,次いで,変形性股関節症が代表的です。

その名の通り,関節軟骨の摩耗や減少によって,『関節が変形する』ことによって,痛みや機能障害を惹起する疾患です。

膝関節や股関節は荷重関節であるため,その荷重時や歩行時に痛みを伴うので,運動量や活動性の低下に直結し,上記の悪循環に繋がる可能性があります。

この疾患の末期像は,著明な痛みと関節可動域制限を伴い,最終的には,人工関節置換術の適応となります。

ただし,手術が選択される割合は,ほんの数%です。
なぜならば,関節軟骨は加齢とともに,必ず減っていくものだからです。

膝が痛くて,関節軟骨が減っていれば,「変形性関節症」です!と診断されます。

関節軟骨が減少し,関節が変形するのは,『退行変性』です。
それがイコール痛みの原因であるのかの判断は慎重に下す必要があります。
なぜならば,関節軟骨には神経が通っていないことと,再生能力がないためです。

関節軟骨が減るのは,「退化の過程」においては,致し方ないことなのです。
減ること自体は,自然なことであり,痛みの原因は,それ自体ではなく,むしろ,それに起因する機能障害が原因であることがほとんどです!!

その機能障害の代表例は,
◇関節の動きが制限される
=関節可動域制限
◇関節の遊びが少なくなる
=関節副運動制限

「関節」の「変形」に起因する症状ですので,その「関節」機能障害の詳細な把握と最適な対処にて,症状の改善を図ることは十分に可能となります!!

2.変形性脊椎症

罹患率の多い順に,変形性腰椎症,変形性頚椎症となります。

脊椎の「退行変性」としては,椎体の変形や周辺の骨棘形成,椎間板の変性などが代表的です。

末梢関節である膝関節や股関節との大きな違いは,脊髄や神経と隣接した部位に「退行変性」を生じる結果,「神経」の機能障害を誘発しやすいという特徴が挙げられます。

変性や変形が進行し,脊柱管や椎間孔と言われる,脊髄や神経の通り道が狭くなることによって,神経症状を惹起するようになると,「脊柱管狭窄症」へと進展し,手術が選択されることもあります。

しかし,これらの疾患も,「関節」機能障害とともに,「神経」機能障害も正確に把握することで,症状の軽減や緩和を図ることは十分に可能な疾患と言えます!!

3.肩関節周囲炎

これは,発症に関しては,いまだに原因不明の疾患です。
俗称は,四十肩/五十肩と呼ばれるものです。
その名の通り,50歳以降から急激に発症率が上がる疾患になります。

肩が痛いと言っても,原因は様々ですが,
この疾患の特徴的な症状は,関節拘縮による著明な関節可動域制限です!!

◇初期は,炎症による痛みが強い時期で,
◇徐々に関節拘縮が強くなっていき,
◇平均して1年くらいかけて徐々に治っていく,

という不思議な疾患です。

(自然経過で)
肩痛を発症したら,早めに対処し,根気よく関節の施術を続けていけば,その改善までの期間は短縮することは可能です!

という感じで,
「退化」による変化は致し方ないものです。

しかし,「退化」だから仕方ないというわけではありません!!

諦める必要はまったくありません!!!

「神経」「筋」「骨格」系機能障害をしっかりと見極めて,適切な対処をすれば,その「退化」によって生じた症状の軽減や緩和を図ることは十分に可能なのです!!

「年だから仕方ない,,,」

「変形してるから痛い!?」

「痛みと付き合っていくしかない,,」

「あとは手術しかない!?」

そんな事は絶対にありません!!

お身体の痛みや不調でお悩みの方は,是非一度ご相談ください。

最後までお読み頂き誠にありがとうございました。

「いたみのないシアワセ!」
「できることのヨロコビ!」 をあなたへ。

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