【痛みの各論 vol.3】スポーツと痛み
みなさん,こんにちは!
「マニュアルフィジオサロンあきは」のブログへようこそ!
身体の痛み治療のスペシャリスト
“認定徒手理学療法士”の齋藤賢一です。
日本でのメジャースポーツというと,
1.野球
2.サッカー
3.バスケットボール
というところでしょうか!?
他には,バレーボールやテニス,バドミントン,卓球,ラグビー,陸上,水泳,ダンス,柔道,剣道,空手,スキー,スノーボード,スケート,などなど。
今回は,『スポーツと痛み』というテーマで,トップ3に絞って,その競技に特有なケガや多発するスポーツ障害を紹介していきたいと思います。
1.野球
野球はやはり,肩・ひじを酷使する競技だけあって,その障害発生率が非常に高いのが特徴です。
小学生年代では,圧倒的に『野球肘』のケガが多く,中学生以降になると,『投球障害肩』の割合が高くなるという特徴があります。
ちなみに,わたしは,小学5年生の時に,投球過多でひじの剥離(はくり)骨折を受傷し,そのまま治らずに,高校まで野球を続けました。その後,社会人になって野球を再開したら,今度は肩を壊しました(涙)。。。
30年前は,今のようにリハビリや理学療法を受けられる環境は整っていなかったので,結局治らないまま,「投げると痛い,,,」というのを繰り返していました。
では,なぜ?野球で肩やひじが痛くなるのか???
1.投げ過ぎ
わたしもそうでしたが,やはり一番は投げ過ぎという問題です。
近年では,ピッチャーの投球制限が話題に上がることも多くなってきています。
特に成長期真っ只中の小学5~6年生くらいは,チームの主力にもなってきて,ついつい投球過多になってしまいがちですよね!?
(試合だけではなく,練習や遊びも含めて)
1回の練習や試合当たりの投球数を設定することや,ノースローの日を設ける,投球後のストレッチを中心としたケアを行う,ことなどで,予防を図っていきたいところです!!
2.未熟な/不良な投球フォーム
野球を始めてまもない頃や成長期の子供は,遠くへ投げたい,速く投げたい,と思うあまり,腕の力に頼ったフォームになってしまう。
中学生以降から成人になってからでも,カラダが硬くて手投げになってしまう,下半身が使えずに,上体の力に頼ってしまう。
などなど。
投球フォームの問題によって,正常から逸脱したメカニカルなストレスが肩やひじに加われば,当たり前ですが,痛みの原因になってしまいます!
早い段階で,正しい動き方や投球フォームを教えてあげることが非常に大切だと思います!
それが,いつでも,どんな状況でも,フォームを崩さずに投げ続けられることも大切です!
疲労の蓄積やカラダが硬くなることもフォームを崩す原因になるかもしれません。
投球動作は全身運動ですので,全身を正しく使えることと,柔軟なカラダを保つことが予防につながると思われます!!
3.外傷
これは,防ぎようがないことでもありますが,起こり得ることです。
上記1,2とも大きく関連することもありますが,「この1球」の瞬間に起こるケガです。
多くの野球選手の痛みは,はっきりとしたきっかけはなく,なんか痛いかも!,あれっ今日も痛い!!,痛みが治らない!!!,という感じで発症しますが,「この1球」があるタイプのケガは,急性発症し,明らかな組織損傷を認めるタイプのケガです。
その代表的な疾患は,内側側副靭帯損傷やはく離骨折,上腕骨の螺旋(らせん)骨折やリトルリーガーズショルダー(骨端線離開)などです。
これらの外傷の引き金が,投げ過ぎによる疲労や投球フォームの崩れに起因することもあるわけです!
普段のケアやストレッチなどでのコンディショニングで,予防に努めていきたいところですね!!
2.サッカー
サッカーは,野球とは真逆で,脚(足)を使うスポーツですので,当然,そのケガも下半身に集中してきます。
サッカーでのケガTop3は,
1位:足関節/足部痛
2位:股関節/鼠径部痛
3位:膝関節痛
というところでしょうか!?
1位:足関節/足部痛
サッカーは急激なダッシュ/ストップ動作や切り返し動作を繰り返すこと,コンタクトスポーツであること,スライディングやタックルを受けるスポーツであること,などから,足関節捻挫や足部障害を起こしやすいスポーツと言えます。
急性の足関節捻挫は,予防しきれない部分ではありますが,しっかりと治すということと,繰り返さないということが大切です!
十分に回復しないまま,プレーを再開し,また受傷してしまうということを繰り返していると,「慢性足関節不安定症」という,いわゆる“捻挫が癖になってしまう状態”になってしまう可能性があります。
足首が硬くて,かかとを着けてしゃがめない選手に多いのが,「扁平足障害」です!
これは,子供から大人まで,幅広く足部痛の原因になる可能性があります。
「癖になっているから,,」
「扁平足だから,,」
ということはまったくありません。
適切な対処にて治すことは可能ですし,予防も十分に可能なケガなのです!!
2位:股関節/鼠径部痛
3位:膝関節痛
サッカーに代表的な疾患の一つに,グロインペイン症候群というものがあります。キック動作の反復などによって,股関節や鼠径部付近が痛むものの総称です。
また,股関節と膝関節痛に関連するもので,サッカー選手に多いのが,大腿部の肉離れもあります。瞬発的な動きを繰り返すことによって,ハムストリングスや内転筋,ふくらはぎに生じやすいケガです。
膝関節痛は,外傷系が多いと思われますが,膝関節の靭帯損傷や半月板損傷が代表的で,損傷の程度によっては,手術が選択されることも少なくありません。
サッカー選手の身体的な特徴の一つとして,「股関節が硬くなりやすい」ということがあります!!
その一つの理由は,キック動作で股関節を酷使するからでしょう!?
股関節は本来,球関節の構造通り,モビリティが大きく,柔軟でなければなりません。
キック動作の支点である,その股関節が硬くなることによって,上記のケガにつながってしまう可能性があります!!
ケガへの対処またはケガの予防という観点においても,股関節の正常な機能を確保することが非常に大切であると考えられます!!
3.バスケットボール
バスケットボールは,瞬発系/ジャンプ系のスポーツですので,そういったスポーツに多いケガをご紹介します。
1.腱障害(膝蓋腱やアキレス腱)
代表例は,膝蓋腱炎/膝蓋腱症=ジャンパー膝,と言われ,その名の通り,ジャンプの反復によって,腱に負荷が加わり続けることが発症の原因となります。
(アキレス腱炎/アキレス腱症も同様)
腱は本来,ほとんど伸張性のない組織です。
そのもともと硬い組織が,ジャンプ動作の反復で,伸張刺激を受け続けることによって,痛みを引き起こしてしまいます。
ただ,ジャンプをしているだけであれば,普通は痛くなりませんよね!?
痛くなる選手は,過負荷になっている身体的な原因があるはずです!
その原因の多くは,,,
〇姿勢や動作不良
→後方重心でのスクワット姿勢/スクワット動作
〇カラダの硬さ
→股関節や大腿部,ふくらはぎの柔軟性低下
そこを改善することが,症状の改善や障害の予防につながると思われます!!
2.膝前面痛/AKP=Anterior Knee Pain
これは,何が痛いのか?ははっきりしないけど,膝が痛いものの総称です。
バスケットボールは,どうしても低いスクワット姿勢を保持することや,ジャンプ動作の繰り返しで,膝関節の屈伸を反復するために,膝の前面には負荷が加わり続けます。
その結果,多くは,膝蓋大腿関節(ひざのお皿)の機能障害を誘発し,膝前面痛につながると思われます。
この種のケガは,一般的には意外と厄介で,運動を休んでも治らない,ただのストレッチだけでは治らない,症状が慢性化しやすい,といった特徴があります。
しかし,膝蓋大腿関節の正確な機能障害を見極めて,最適な対処をすれば,結構,簡単に治ったりもします!!
稀に,症状が慢性化し,重症化すると,痛みが強くなり,日常生活レベルでも問題を生じるようになったり,やけに過敏な症状を誘発したりもしてきます。
普段から,ストレッチを習慣化することや,痛くなったら早めに対処することを心掛けて,障害の予防と早期の対処に努めたほうがよいと思われます。
3.足関節/足部痛
これは,サッカーに準じる部分が多いため,割愛させていただきます。
いかがでしたでしょうか?
スポーツと一言で言っても,その競技に特有な疾患があります!
また,年代や性別を問わず,小学生から高齢者まで,幅広く,スポーツや運動によって,身体の痛みや不調を引き起こします。
「痛みなくスポーツを楽しみたい!」
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当サロンは,そんな想いをお持ちのスポーツ愛好家/スポーツ選手,アスリートに対して,
『徒手療法』×『運動療法』のトータルマネジメントで,その想いに全力でお応えします!!
最後までお読みいただき,誠にありがとうございました。
「いたみのないシアワセ!」
「できることのヨロコビ!」 をあなたへ。