BLOG

痛みのスタディルーム!

【痛みの総論 part4】痛みの分類

痛みの分類
痛みの分類とは!?

みなさん,こんにちは。

マニュアルフィジオサロンあきはのブログへようこそ!
身体の痛み治療のスペシャリスト
“認定徒手理学療法士”の齋藤賢一です。

さて,今回で痛みの総論シリーズは最終回となります。

テーマは,『痛みの分類』についてです。

様々な痛みを表現する言葉としては,

急性痛,慢性痛,鋭痛,鈍痛,表在痛,深部痛,間欠痛,持続痛,関節痛,神経痛,筋肉痛,内臓痛,関連痛,放散痛,外傷性疼痛,炎症性疼痛,機械的疼痛,灼熱痛,電撃痛,しびれ,ジンジン,ビリビリ,チクチク,神経障害性疼痛,神経原性疼痛,心因性疼痛,神経根性疼痛,凝り,不快感,違和感,,,

などなど,,,(汗)

痛みを表現する言葉は非常にたくさんあります。

痛みとは,「個人の主観的な感覚」ですので,
原因は同じでも,表現の仕方が違う場合があります。

例)腰痛
→「鋭い痛みで,奥のほう(深部)の,筋肉痛のような痛み」
→「鈍い感じだけど,表面的なチクチクする神経の痛み」

逆に,原因は異なるけども,表現は同じ場合もあります。

私たちセラピストは,クライアント様が表現する言葉や身体機能評価を通しての痛みの再現性などから,様々な事柄を仮説立てていきます。なぜならば,痛みや身体機能障害を分類していく思考プロセスこそが,その問題を解決していく上で非常に重要な要素となるからです。

そのクライアント様が有している痛みの分類を見誤ると,,,当たり前ですが,その痛みに対する最適な対処ができない→治療効果が出ない,治らない,ということになります。

クライアント様の立場に立ってみれば,「私の痛みは何が原因なの?」ということは,当たり前のように考えるはずです。

これからお話する,『痛みの分類』を理解し,それをセラピストとクライアント間で共有することで,痛みやそれに伴う様々な問題を解決していく最適なプロセスが構築できると考えています。

前置きが長くなりましたが,ようやく本題に入っていきます(笑)

◇急性vs.慢性の痛み

◇外傷性の痛みvs.自然発生的な痛み

◇炎症性の痛みvs.機械的な痛み

◇筋骨格系vs.神経系の痛み

今回はこのような分類を基に解説していきます。

なぜならば、上記の分類による対比によって、対処方法がまったく異なってくるためです!

◇急性vs.慢性の痛み

【急性の痛み】
(特徴)
-痛み始めから3日くらい
-限局的な非常に強い痛み
-鋭い痛みが持続する
-姿勢変換や動作が困難

(対処方法)
・お薬での消炎鎮痛処置
・物理療法:電気治療など
・安静:患部の保護

【慢性の痛み】
(特徴)
-数週から数ヶ月つづく
-鈍い痛みが広がる
-特定の姿勢や動作で痛い
-様々な機能障害を併発

(対処方法)
・身体機能評価での機能障害の確認
・機能改善に向けた積極的な徒手療法
・痛みに応じた最適な運動療法

要約すると,

【急性の痛み】
=安静での痛みのコントロール

【慢性の痛み】
=徒手療法×運動療法による積極的な機能改善

ということになります。

(対処方法が真逆ですよね!!)

◇外傷性の痛みvs.自然発生的な痛み

【外傷性の痛み】
(特徴)
-受傷機転がある
-組織損傷や出血を伴う
-鋭く強い痛み
-炎症(腫脹,熱感,発赤,痛み)を伴う
-数日から1週間程度で痛みは沈静化

(対処方法)
・初期は急性の痛みと同様
・組織損傷の程度は整形外科での確認が必要
・症状の軽減に合わせて,積極的な機能回復を図る

【自然発生的な痛み】
(特徴)
-きっかけがない
-組織損傷は不明確
-鈍い痛みor鋭い場合もある
-必ずしも炎症は伴わない
-痛みが徐々に増悪または持続する

(対処方法)
・症状の原因となっている機能障害の同定
・原因に応じた負荷のコントロールと機能改善
・適度な運動療法から徐々に負荷を漸増

要約すると,

【外傷性の痛み】
=何が?どの程度?傷んでいるのかを把握
→組織治癒を阻害せずに機能回復を図る!!

【自然発生的な痛み】
=何が?なぜ?ストレスになっているのかを把握
→身体機能的メカニズムの正常化のための機能改善!!

ということになります。

(着眼点が異なりますよね!!)

◇炎症性の痛みvs.機械的な痛み

【炎症性の痛み】
(特徴)
-腫脹,熱感,発赤,痛み
-強く鋭い持続する痛み
-安静時の痛み(ときに拍動性の痛み)
-夜間時痛を伴うこともある

(対処方法)
・原因の探索と炎症の程度の把握
・必要に応じて専門医の診断が必要
・消炎鎮痛処置
・炎症の沈静化に応じて機能回復を図る

【機械的な痛み】
(特徴)
-特定の姿勢や動作で痛みが再現される
-鈍い痛みor鋭い痛み
-症状のオンとオフが明確
-様々な機能障害を認める

(対処方法)
・何が?なぜ?痛いのかの把握
・詳細な身体機能評価と機能障害の同定
・徒手療法×運動療法による積極的な機能改善

要約すると,

【炎症性の痛み】
=原因が何であれ,炎症の沈静化が最優先

【機械的な痛み】
=機械的(メカニカル)ストレスの緩和を図る
→「徒手療法×運動療法」!!!

ということになります。

(鑑別的な視点ですよね!!)

◇筋骨格系vs.神経系の痛み

【筋骨格系の痛み】
(特徴)
-筋肉や骨・関節に由来する
-深部>表在性の痛み
-部位は限局的
-特定の動きによって痛みが再現される

(対処方法)
・痛みの原因となっている筋や関節を同定
・その原因に特徴的な機能障害を確認
・その機能改善に向けた徒手療法×運動療法

【神経系の痛み】
(特徴)
-神経組織に由来する
-表在性で広範な症状
-ジンジン,ビリビリ
-しびれや感覚障害
-神経が伸張または圧迫されると症状が再現される

(対処方法)
・麻痺が生じていないかの確認
   (感覚低下や筋力低下など)
・症状の原因となっている神経を同定
・神経の伸張か圧迫かその複合かを鑑別
・その神経機能障害に対する最適な徒手療法
・神経症状が改善したら,筋骨格系の治療へ

要約すると,

【筋骨格系の痛み】
=シンプルで分かりやすい痛み

【神経系の痛み】
=複雑で多様な症状

ということになります。

(治療の優先順位を決定します!!)

というように,

痛みを適切に分類し,

その痛みに応じた最適な対処をしていかなければなりません!!

ご自身の症状と照らし合わせてみて,クライアント様にも考えて頂けると嬉しいです。

長くなりましたが、

すべてをまとめて総括すると、

「“急性”“外傷”による“炎症性”の痛みは、原因が何であれ、お医者様にお薬を出してもらい、消炎鎮痛を図る」ということになりますが、これは初期の3日〜1週程度の話で、その治療と併行して、または、その治療後からは積極的な機能改善が必要になります。

それ以外の大多数の痛みはすべて、初期の早い段階から身体機能障害の改善のための「徒手療法×運動療法」の適応となるということです!!!

痛みでお困りの方は、是非一度ご相談下さい。

最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。

SHARE

ブログ一覧

ホーム > ブログ > 【痛みの総論 part4】痛みの分類