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痛みのスタディルーム!

【痛みの各論 part4】筋機能障害による痛み!

筋機能障害による痛み
筋肉が痛くなる理由は!?

みなさん,こんにちは。

マニュアルフィジオサロンあきはのブログへようこそ!

身体の痛み治療のスペシャリスト
“認定徒手理学療法士”の齋藤賢一です。

徒手理学療法士は,「神経筋骨格系」機能障害を有するクライアントに対して,その治療と管理のスペシャリストであるということは,以前のブログでご紹介した通りです。

そして,治療/管理の上での優先順位は,「神経」>「筋骨格系」であるということもお伝えしました。

「神経(part2)」,「骨・関節(part3)」に続いて,今回は,
『筋機能障害による痛み!』を考えていきたいと思います。

「神経」=司令塔(Control)

「筋」=自動要素(Active)

「骨・関節」=他動要素(Passive)

「神経」からの指令によって,「筋」は(自動的に)収縮/弛緩し,「骨・関節」は(他動的に)動く/動かされるわけです。

筋機能が正常であったとしても,神経を介した情報伝達がうまく機能しなければ,筋は働けません。関節が正常な可動性を有しなければ,筋で発揮された力は有効に使われません。

なので,治療の優先順位は「神経」>「関節」>「筋」となります(私見です)。

筋の分類は,,,

横紋筋と平滑筋,遅筋と速筋,抗重力筋/主動作筋/拮抗筋,などがありますが,それぞれの性質や特徴は成書をご参照ください。。。

「痛みを良くするには筋肉をつけないと!」

「筋力が弱いから痛くなる!」

「筋肉がないから姿勢が悪い!」

→だから筋力を鍛えればよい!?
(一般的な考え方ですよね、、)

→この考えは正解とは言えません。

このブログでは,もう少し考察を深めて、あくまで,痛みに関連する「筋機能」を考えていきます!!

【筋機能障害の分類】
◇筋萎縮
◇筋力低下
◇筋出力低下
◇筋持久力低下
◇筋緊張の亢進/低下
◇筋長の低下/筋柔軟性の低下
◇筋協調性の低下/運動制御不全
◇(筋膜の高密度化/伸張性/粘弾性低下)

というところが代表的でしょうか!?

この中から,“痛みに大きく関連”する『筋機能障害』をご紹介していきます。

みなさん,考えてみましょう!?
どこかが「痛くなった」時のことを。

例)転んで膝(ひざ)を打ちました!!

「膝が痛い!!」
→膝を抱えてうずくまるでしょう。
→患部を保護する“屈筋反射”が起こります。

これが,痛みによる

筋緊張の亢進
(主に屈筋)

に繋がるわけです。

そして,
「膝に水が溜まった!!」
→力が入りにくくなるでしょう。
→関節原性の“筋抑制”が起こります。

これが,痛みによる

筋萎縮と筋力低下
(主に伸筋)

を引き起こします。

さらに,
「痛みが取れない!!」
→安静時の筋長の低下
→動的な筋柔軟性低下

へと繋がっていきます。

その結果,

主動作筋と拮抗筋のバランスが崩れ,筋協調性の低下や,不良姿勢/動作が続くことによって,運動制御不全を引き起こすという流れが考えられます。

これは,あくまでも一例に過ぎませんが,いずれにしても,その『筋機能障害』のトリガーになっているのは,『痛み』なわけです!!!

これは,あくまでも私個人の主観的な見解になりますが,『筋機能障害』は二次的な被害者であることが多いように感じています。その被害者である『筋』にだけアプローチをしても根本的な解決になることは少ないでしょう!?

その代表例が「肩コリ」です。

確かに表面的な筋肉を触ってみると,すごく硬い,凝っている感じがします。
(主に僧帽筋(上部線維)の過緊張)

→では,その筋肉をほぐすマッサージをすると,「気持ちは良い」けど,,,

→その場限りで,根本的な解決にはならないでしょう。

→なぜならば,緊張している僧帽筋は二次的な被害者であるからです。

→加害者は,頚椎や胸椎の関節であったり,不良姿勢/動作であったり,心理的な影響であったり,と様々です。

もちろん『筋』が一次的な原因であることもあります。その代表例は,「肉離れや筋挫傷」と呼ばれる『筋』自体の損傷によるものです。

この場合は,その『筋』の正常な組織治癒を図りながら,二次的に生じ得る「神経や関節機能障害」を予防するということになります。

いずれにしても,『神経筋骨格系』のどこに原因があるのかを探索しなければ,根本的な問題の解決にはならないということです!!

上記の各種『筋機能障害』は,原因にも結果にもなり得るし,被害者の場合もあれば,加害者である場合もあるのです。

それでは,その『筋機能障害』に対してのアプローチは???

ここでもやはり優先すべきは,「硬さを取る」ことです。

「何か?が」硬いというだけで,痛みの原因になってしまうからです!

筋緊張が亢進し続け,筋長が短くなる,結果,筋柔軟性が落ちる

→要は,『筋』が硬くなるということです!!

→その硬さを取るアプローチは,,,

軟部組織モビライゼーション,
結合組織モビライゼーション,
筋筋膜のリリーステクニック,
マッサージやストレッチング,

などなど,を駆使して,硬さを取り除くことが必要になります。

「硬さ」が取れて,正常な関節可動域が確保されれば,

今度は積極的なエクササイズや筋力トレーニング(運動療法)を通して,筋肥大を図る,筋力強化や持久力の向上を図る,という流れで,トータルで『筋機能障害』の改善を図っていくわけですね!!

(代表的な施術例)
1.患部周辺の筋緊張は亢進し硬くなる
2.関節可動域と副運動の制限
3.動かすと痛い
4.力も入りにくくなる

さて、問題です。

何からアプローチするのがベストでしょう?

a.筋のマッサージやストレッチ(1に対して)
b.関節を動かす(2に対して)
c.安静にする(3に対して)
d.筋力トレーニング(4に対して)

正解は、、、

bです(わたしの場合)!!
(b→a→dの順)

ただ、痛みがあり、筋緊張が亢進していて、硬くなっている「関節を動かす」のは、痛みを誘発し増悪させるリスクもあり、最初にそこから手を出すの?と思われる方も多いかもしれません。

しかし、

最短&最速で、ベストな手段を選択することが、プロフェッショナルの流儀です!!(もちろん痛みを誘発/増悪させることなく)

-痛みの出ないギリギリの関節角度で、
-筋緊張を抑制するハンドリングで、
抵抗域に入らないGradeⅡ関節副運動!!

すると、
筋緊張と痛みはみるみるうちに軽減していきます!!

上記の下線が高度なテクニックを要求されるプロフェッショナルの仕事なのです(笑)!!

痛みの軽減が図られ、筋緊張が正常化し、関節可動域が回復してはじめて、積極的な筋力トレーニングが可能となるわけですね!!

昨今は,テレビや雑誌などでも,「筋膜リリース」ブームです(汗)!!

その「筋膜」だけに対処すれば,すべてOK的な風潮も感じますが,,,
(筋膜とは,筋を包む膜のことです,,,そのまんま)

みなさんに声を大にして言いたい!!!

「そんな事は絶対にありません」

一つの痛みが,一つの原因によって生じていることなんて,ほんのごく一部です。

要は,筋膜もそのほんの一部に過ぎないということです。

原因や関連因子をしっかりと確認し,一つ一つの機能障害に丁寧に,適切に対処してこそ,はじめて根本的な解決に繋がるのです!!!

誤った情報に振り回されないように,様々な情報をしっかりと吟味し,クライアント様には,何が本物かを見極めて頂きたいと思う今日この頃です。

このブログが,そのお手伝いになれば幸いに思っております。

最後は愚痴っぽくなってしまいましたが,
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

「いたみのないシアワセ!」
「できることのヨロコビ!」をあなたへ。

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